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国家公務員の「作為」と「不作為」B

このコラムで、国家公務員の「作為と不作為」を論議提起し、時に起きた「狂牛病」BSEの問題をとりあげてより早や二年の歳月が経つた。直近ではイラク戦争と新型急性肺炎(SARS)の大流行によつて狂牛病への「不作為」への関心は遠のき、今やイラク戦後と日本経済の行方問題が最大の関心事となつている。何と、ロシヤからは無検疫で犬が入つていたとの報(12・28読売)があり、ペット鳥類の検疫、その輸入に伴なう感染症の問題(これについては田中氏のフォーラム特集号に多くの指摘がある)が漸くクローズアツプされるところとなった。
狂牛病発生当時、農水大臣は勇み足(感染ルートはそんなに問題なのかとの發言)を指摘されながら任期を全うし、次大臣は「元秘書」の不祥事、疑惑で辞任、後任の大臣選びが難行したとの報が新しい。この間、BSEは7頭目で感染経路の解明發表なきまま終りか、病源、異種蛋白質・プリオン研究の第一人者品川教授の「羊のプリオン病」「スクレイピー」の人への感染性を否定出来ない(02、1、21読売)を二十年前發表するのに農水関係者の圧力で学界發表が半年遅れた(作為)という。病源の策定、感染経路の確定なくして感染症の阻止はできえない。プリオン病の羊が飼料化された場合の関係が明確にされていない。代用乳使用の牛のみに發生し死亡牛の検査がまつたく行われなかつたという抜け道が残されていた。この間、様々の畜産品・食品の不正事件、内部告発、倒産あり、これらは食品の「生産地・品名」の明記表示がなされることで一般消費者に告知する方向が取られつつあり、狂牛病への関心も薄れつつある。事件の發生に、監督指導すべき省庁の国家公務員が拘つたかによりその責任、国家賠償が求められるのであるが、杜撰な国の補償が先行したことで不正が發生、でも監督すべき官僚の天下り先である関係企業への行政処分は極めて甘いものであつた。官の責任・更迭は農水次官のみであつた。
主題の『作為』「不作為」は何れも国家賠償法によりその責任を求めることができる、リクルート事件で次官の「不作為」も職務行為であると最高裁は漸く認定したが国家公務員の責任を求めることは至難の業である。古くは「イタイイタイ病」「排ガス公害」「HIV」「薬害エイズ」等にその例をみる。「作為」は文字通り意図のある行為で、論ずべきは「不作為」で、単的には何もしない職務の怠慢、将来起こりうることを知りながら何もしない、所謂「未必の故意」が含まれる。論者はこれを論じたきために主題としたのであるが、これを立証するには結果が必要であり、その結果の如何によるのであつて「狂牛病」に関しては潜伏期間が長く人的被害の發生がないことでそうした訴訟提起はないが、経済被害の事前補償つまり「未必の故意」での訴訟が提起されることは必常でそれで経済被害のみ補償することを發生源の策定に先行させ、その結果多くの偽装事件が告発された。日本での「狂牛病」の發見は生体の成牛のみで死亡牛になされていなかつた抜け道があり、ヨーロッパEUでは死亡牛の感染の割合は生牛の18倍あり、こうしたデータをもとに二歳以上の死亡牛の全頭の検査が漸く始まつたことを報ずる(4.10読売)が骨肉粉に加工された死亡牛・羊が疑惑解明されないま放置されていたとは。
 牛の個体識別を国は義務付け、東京都獣医師会は「犬猫の個体識別」にマイクロチツプを導入することを先のコラムで触れたが今春の狂犬病予防接種期に実施したか否かは不詳だが、その費用が高価でなければ(医療用具の許可でこれまでは高価、原価は安い)極めて有用で今や必須と考える。ペツトの犬猫の血統書は「必須条件」ではない。
 犬の個体識別に先駆のジャーマンシエパード登録団体ドイツSVは耳番号(タツー)の外に種犬にDNA登録制を採用した。これにより数頭の種犬の繁殖犬に不正が発見され日本に輸入された著名犬の血統修正が行われた経緯がある。論者が、ペツトに血統書が必須でないとする理由の一つに、台湾生まれの犬が日本産犬として産地偽装されるペツト卸売市場の実態、また、台湾産のホワイト・ポメラニアンやホワイト・ペキニーズ等は混血の犬であるとフオーラムに於いて特集した。
 台湾より携帯品として輸入される仔犬がペツト卸売市場(セリ市)においては国産犬として販売されている実態と、農水省の検疫システムとの関係、台湾生まれの犬は「台湾は過去6ケ月以上狂犬病の発生がなく、二ケ月以上台湾にいて携帯品として持ち込まれた場合は24時間内に開放する(名古屋空港検疫所)ことになつている。」と。台湾ではこれまで狂犬病の発生例は聞かずこの点は問題無いが、成犬は別として台湾で生れた仔犬が二ケ月以上生地にいたか否かが問題で、検疫をフリーパスするには60日台湾にいなければならない、セリ市での流通適齢は40日前後である、つまり60日以上の仔犬は市場性を失する、ここでの指摘は通関上の生年月日と登録される犬の血統書の生年月日とは異なり、犬名も信憑性を欠くものと指摘する根拠である。個体識別のない検疫通関システムでは犬の血統書の虚偽登録を許している実態がある。血統書の問題はあくまで登録団体の問題であつて、現在まで通関には犬種のみで個体識別ともに不要であり、JKCは輸出犬には個体識別を義務ずけるが輸入される仔犬にはそれが適用されない盲点を残す。「何でだろう」それはセリ市の主宰者に理事がいるし、天下りの理事、それぞれ要職にあつて不正登録として処分された例はなく、また、仮にそれが発覚したとしても「刑事処分」は免れる。その理由の第一は、ペツトとして販売された仔犬の、被害高を立証することは至難の業である。論題から少しく飛ぶが、ペツトのセリ市場では時に混血の仔犬が高値をよぶそうである、「何でだろう」、珍妙な顔や毛色が特異性のあるペツトとして売れるのだそうだ.結着、ペツト犬の血統書はその純血種の証明としての存在としてあるのみで混血種であつても大差はないのだと言えて、両親先祖の信憑性は不要である。ここに論者のペツト犬には血統書無用の論拠がある。だが不正を看過してもペツトの登録がなければJKCの財政に重大な支障を来たす(後述)。だが「個体識別」は必須である。
 論者は、このことを含め、JKCの理事監事選考の不透明性、原産国のスタンダード(審査基準)によらないFCIショー、総会で決すべき「規定と規程」の語彙の差異、この同義語の定款上の取り扱い、なかんずく、懲戒の不当性や不公正な処分等をフォーラムにおいて論議提起してきた。その前には口頭、文書等においてJKCを指導監督すべき当局にそれをもとめた。個人個人が自由に加盟出来る組織から団体加盟に組織変更された時期、経徳氏が天下つた時期の改正された定款は多くの矛盾を抱えていた。当時の担当官は現専務理事の梶並氏、氏は多少の聞く耳を持ち申し入れを聞いてくれただが梶並担当官自身が天下るための組織変更指導(後述)であつたとはこの時点でまつたく気付かなかつた。後任の大島は「ヘラヘラへ」のへであつた。無実で自身に懲戒が及ぶにいたり行政不服審査を申し立て、国の適切なる指導監督を求めるべく訴を提起した。行政の、国賠法を含む訴訟は代理人(弁護士)の多くは引き受けない。なぜなら相手は認可省庁の長でなく法務大臣であり、弁護士は法務大臣により資格を付与される者であり、裁判官も同様に任官を受ける職官で、止む無く本人原告訴訟となれば審理もまつたくされない門前払いとなる、「審理不尽・異議」を申し立てても審理しないことが審理であると棄却される「官に対して不遜な」と言わずもがなの結果がまつ。陳情、請願等による方法もあるが、最近法務大臣直轄の刑務官の事件が報ぜられる如く大臣までは届かない。つまり、国家公務員が同僚を裁くのはやりたくないということ、そこで論者はこれら諸項をフォーラム特集号(206号)にまとめてあるので参照されたい。


 FCIのスタンダード(審査基準)によらないFCIショー
 JKCの主要な事業目的は「犬の血統登録」とそれの純血性を証するための「評価の場」とされるFCIショーを主柱とする。しかして評価の基準は「犬種評価基準書」つまり犬種ごとの「スタンダード」によらねばならない。評価とはその犬の良否を下すことであり日本語では「優良、良、可」それに「失格」が加わる。FCIショーは、FCI〇〇インターナショナルショーと名ずけて全国各地で長年開催されているが、グループ(11犬種群グループ)こそFCI分類のそれによるが犬種のスタンダードによらない、つまり原産国のスタンダードによらず、ショーの実態は単に順位を決めるのみで「審査記録」には「顔が良かつた」「動きがよかつた」という程度のものしか披見したことがない。FCIは犬種に評価をすべきを定めている(後述)。犬種グループの分類は平成7年の改訂版(第9刊全犬種標準書)に載つているが大多数はそれまでのJKCの犬種標準の踏襲に過ぎず、あくまで標準であつて「基準」ではない。インターナショナルと称しても島嶼であつて検疫の関係で実際に外国から犬が出陳されることは無い。論者はこのグループ改訂の時点で、それまでの擬制から偽制(似非)となる旨を指摘、当時の芟藪理事長と虚偽ではないかと激論したプロセス(記録あり)がある。この時の結論は、JKCの「標準書」は殆ど故根本氏の手になるもので、原産国のスタンダードへの改変は混乱を招くからできないと。何おか言わんや。
 だが芟藪氏は、ヨーロッパにおける日本犬の流行に着目し、「日本犬振興」の名のもとに莫大な費用を掛けて特別展を開催しアツピールしてきた。夙に、「秋田犬」に注力、敗戦後日本からアメリカに導入された「アキタ」を祖とする斑毛のある秋田犬がヨーロッパのみならず世界中に拡散浸透し、アメリカで登録される「アキタ」は実に20,000頭を優に超え、日本最古の天然記念物「秋田犬」登録団体(社)秋田犬保存会(秋保)の数十倍に達する背景があつた。こうした輸入犬が原産国を凌駕することは、アメリカに限らず日本に於いても例外ではない、これまで数多くの犬種の流行をみ最近のミニチュアダックスはよい見本。だがアメリカのアキタは斑毛があることで原産国日本の「秋田犬」とはスタンダード上で問題が生まれた。こうした事実はさておき、JKCの外来種のスタンダードは原産国のそれによらないまま、「秋田犬」は原産国日本の「評価基準」によるべきを主張し、論者もFCIの評価基準によるショーを開催するならば主張自体に異論はない。それで芟藪氏は「秋田犬世界会議」を何回か開催、「世界秋田犬連盟」なる団体を主宰現在にいたる。だが論者は、主宰すべきは前記秋保の主導すべき課題であると論じた。JKCは必ずしも「アキタ」の国外の健全な發展を意趣する行為でなく当時秋保には特別な事情があり国内の「秋田犬」をJKCが支配しようと意図したと思考。何故なら、FCIに加盟参加した最初の国際ショーは1980年のドイツベルンでのFCIワールドショーで、この時審査員と「狆」が一頭出陳されツアーを組んでの参観があつた。その後国犬狆が最初の「部会」結成へ、部会制度の発足をみた。国犬狆の振興はどこへいつたのだろう。部会制度は犬種振興策という名目で、「狆」はアマチュア団体の日本狆クラブ(今日もアマチュア団体として存在する)のメンバーを主体とし、初代の会長は、「クモチノ」の犬舎号で今や伝説化したしたか、戦前マジソンスクエアガーデンのショウでBOBをとつた(自身のハンドリングでこのBOBのロゼツトは論者が生前に譲渡された)下川稲子氏であつたが氏の誇りある孤高の死と共に部会活動は漸次消滅の方向をたどる。また、国犬狆は原産国より英国が凌駕する、ヨーロッパでの事情は不知だが、振興すべきは狆だと思考するが、会長は現在北海道「アイヌ」に食指を示すようだ。犬種振興策は単なる名目に過ぎず、本部展への出陳数を確保する役割を担うための組織で、それ故、流行の変遷と共に多くの部会は消滅している。だが、振興策によつてヨーロッパにJKCを通じ輸出された「アキタ」の多くに股間節形成不全でキャンセルされる犬が今尚多々あるらしい。
 国際会議の後、アメリカン・アキタは「ジャパニーズ・グレートドック」つまり日本語では日本犬大型とすることで結着、日保と同じ文化庁の認可団体の社団、日本犬保存会(日保)では日本犬を大型・中型・小型に分類しているので、大型は「秋田犬」のみであり、AKCはこの決定は認め難いとしているようであるが日本語では同一犬を指すことになり変化はないことになる。だが、里帰りしたこの犬種はジャパニーズ・グレートドックとして既に出陳されている珍妙な結果をみる。コツカー・スパニエルの様に英国ではA.コツカー米国ではE・コツカーと呼称すれば最良と思うのだがFCIでは妥当性に乏しい。文化庁の担当課では「スタンダード」は関与せず天然記念物としての扱いであり秋保は、「審美」的な要素を重視している、JKCが外国でアツピールするショーを開催するのは勝手でヨーロッパへの輸出され活躍する犬は秋保の犬である、とかつて答えた。ついでながら、この5月3日から本部展の呼称が(これまでは全国展)復活する旨を会報で報ずる、まずは祝着と慶賀申し上げる。かつての不祥事で、「順位を決めるから争いがある、それ故、成犬には「評価」のみで順位を付けなかつた経緯がある、「展覧会は評価の場」なのだからという指導。秋保に限らず他の日本のJSV,PD等のGシェパード登録協会ではVA,SG等の評価の上でその順位を決めているしFCIに加盟するドイツSVの方式による。JKCのショーは評価がなく、単に先述のように1,2,3、の順位を決めるのみで其れでよいとされ、三段階の「評価義務」を怠り、単的なショーを四半世紀以上も続けている。「何でだろう」、それは評価基準がないから?三年程前のアジア展(本部展)BISジャッジのFCI会長、会報「家庭犬」に唯一回「講評」が載った。
 論議を「スタンダード」に戻す。Standardの日本語の語彙には「標準」「基準」等の意が宛てられるが「犬を評価するショーに於いては「基準」と解すべきで、その理由は初期の英国米国のスタンダードは評価点を100点として審査基準としていたことによる、FCIも評価が基準であり三段階の評価を義務付ける。点数制はいまは多くの犬種で除外されているがこうした「評価」をショーでおこなつた。したがつて、スタンダードは犬種の「評価基準」とすべきである。ついでながら、スタンダードの前文にはGeneral Appearanceとある、この語は先人の多くが「一般外貌」とするが、様々の意を持つGeneralは犬の総て、Appearanceは見える様子の意である「外貌」は顔かたちの意味が強く、また、現代では難解に聞こえる。併せての意は視認しうる全体の外観、または、「概観」が適語であると論者は解している。
 それぞれの犬の「評価基準」の特色はサイズ(体高・体重)及び毛色に大別される。つまり、外見及び計測、或いは手で触れて判別しうる犬種の理想とされる基準で「その範囲からの逸脱は、」その度合いにより、ショーに於いてのみ失格・重大欠点等に区分される旨を記述した文章である。論者は、「FCIスタンダード解説(第一刊)」に於いてFCIのグループ(犬種群)分類、公認犬種の総ての翻訳及びFCIのスタンダード(原産国とする)とJKCの犬種標準とに極差のあるサイズでの当該43犬種を抜粋、AKC,KC,JKC及びFCIのスタンダードとの格差を比較指摘した。この解説は、「FCIの事務局からスタンダードを取り寄せてのもので自信作である」、JKCは前述の「全犬種標準書第9刊」で11グループに分類したのみでその後の改訂はない。だが、前述の「アキタ」で毛色の問題の指摘、結果的に勇み足となり、その影響か毛色で失格となる犬種を「家庭犬」で発表、血統書にその旨マーキングするとした。このことに就いて多くの照会があり、毛色で失格となる犬種特に取り上げては解説していないと返答しているがJKCで出陳される80%以上の犬種に「評価基準」の改訂が必要であることは機会ある毎に述べているし、そのことはJKCが11グループに変えた時点、先述の芟藪理事長との激論のあつたときに遡る。芟藪会長は部外者のビジュアル版のみ監修する(家庭犬に広告)が、爾来、10年以上の月日が流れたが、JKCは一向に改訂する様子もなく新たな解説が必要と考え老居にも拘らず第ニ刊を発行するとネツトにのせた。
 JKCが「毛色」での「失格」のマーキングを血統書にのせるとの発表は、「アキタ」に毛色の異論を唱えたため、自己管轄の犬種の毛色の「失格」を指摘されたのであろうか、「他団体の管轄の犬種の毛色の問題を論議し自身管轄の犬の毛色で失格のある犬の問題を放置しているいは如何なものか」と指摘されたのかは不明だが(標準書で秋田犬の斑毛は欠点)、「血統書に失格(欠陥)がある旨を明記すると、未知の者には血統書は純血種は(優良品)の証明として定着していることから、繁殖者(製造者)販売者・購入者との間に争いを惹起する。JKCは繁殖者に一胎仔すべてに登録を義務付けており、例えばテリアのケリーブルーは標準書でもブラツク(黒一色、ブルーに変色しない毛)は失格とされるがあくまでショーの審査上のことであり犬としての失格ではない、だが血統書に失格(欠陥)が明記されると欠陥商品となる。つまり製造者の責任に帰する問題になる。また、血統書は欠陥のないことの証明書でなければならず、この点でも問題となる。
 ドックショーで毛色やサイズで失格となつても純血種、ぺツトととして失格する訳ではないし、混血でさえ前述した様にJKCの役員の経営するぺツトセリ市等に於いても人気を得る現今、所有する犬の個体を識別する必要はあつても血統書は必須のものではない。AKCでは、犬の登録は繁殖者でなく購入者が行うシステムであつて、繁殖者はショーに通用する自信のある犬にのみ登録に必要な資料を付与する合理的なシステム、仔犬は6ケ月を経て譲渡する方法を採用している。犬舎号(FCI)の登録義務、一胎仔すべての登録義務は新たな問題を抱えることになつた。不良品でも登録義務があるのだ。

 かつてJKCは「いつでも、どこでも、誰でも」入会出来る公益性が認められた社団法人であつたが、特定の、理事会(長)によつてのみ認められる団体しか入会出来ない社団に変化した.国法により結社の自由はあるが、結成した団体の入会を拒否し得る社団に変化したのである。つまり、個人が集合して団体を創りその団体が連合しての公益性において認可を得た社団法人と異なり、殆ど個人の、それも大数が畜犬販売業の所有物に近いクラブを団体と認めその集合体が連合会、その地域区割をブロツクとし(ブロツク、連合会は旧体にあつた)、個人クラブを団体に擬装し団体加盟の社団に改組するには多くの定款上の不備と矛盾があつた。この改組は、頭初10万を超える会員の総会出席者の多数が委任状出席で行はれていることにより、会員の総意を反映するものとするに難ありと指導されたのが改組の理由であつたと記憶するが、会員である愛犬家は日本社会の構成層を具現し、様々な職業の人々により構成されている。この人達は今は孫会員となるが、JKCの資料によるとその60%以上が1年会員とされる。即ち、ぺツトの所有者と見倣される1年会員で占められていることになる。しかしこの時期は、経徳元理事長が役員として天下つた時期であり、潤沢な内部留保・収益があつて、その受け入れを容易にするための改組、そのための定款の改正、「規定」を「規程」に振り替える定款文面のカラクリ、委任状による議決権の行使は他の団体に委任すること、また懲戒規程(規定)の改変、理事監事選考委員の任命等など総会で決めるべき「規定」の多くは理事会で決める「規程」にすり替えられて今日にいたる。
 この時期の農水省の担当官は現梶並専務理事であつたが、氏は着任間もないということで、論者の指摘した改正定款の不備不適ケ所を傾聴してくれて、その限りでは「不作為」の徴候は感じなかつたが、懲戒に関する「規程」えへの変化は組織内部の問題として逃げられ放置された。まさか自身が天下るための改組であつたとは(先述)。それで、懲戒の期限は1年から2年に、現在は15年の権利停止を見る、事実上無期限・15年は殺人罪に必適する。また、理事長の暫定懲戒権(個人の権利停止)は3ケ月から7ケ月に伸長されたようだ。そして、撤回、再処分などの混乱を「会報」での記事にみる、これは懲戒の恣意を示す。個々の団体の構成員である個人の懲戒が、団体を構成員とする団体(社団法人)に懲戒権があるのかとの疑問、定款には会員とする団体の懲戒を規定するが、「懲戒規程」によつて個々の構成員を懲戒出来る、また、本来納入すべき正会員(クラブ)の会費の規定はなく、単なる上納すべき孫会員からの会費の組織にすぎない、この矛盾の指摘は「無視」された。
 同義語である「規定」と「規程」(前者は官庁用語)は随時変更できるシステムをすり替えによつて作り上げ、指導監督すべき当局者の「不作為」によつて、論者は指摘したので「不作為」であるが、法廷でも審議されず論議・審理を得ないまま、まさに、恐怖の「規程」の専制がなされている。
 16万人を超えるというJkCの会員(孫会員、正会員のクラブは1、000超)の大多数は日本社会を構成する愛犬家により維持されている。最近の総会資料によると1年限りで会費を更新しないぺツトの所有者である愛犬家が60%以上を占めている、つまり、ニ年経てば120%の孫会員はいれ替わつているとのデータを示す、これは先述した。正会員のクラブ数は1、000強(代表の大多数は業者)これに構成孫会員数の基準40人を乗ずると40,000人強となる、クラブの構成員には1年会員が含まれるのでそれを勘案しマニアツクなドックショウに出陳、またはショウドックの繁殖に従事・専業とする者は30,000人前後と推量しうる。言わんとすることにお気付きでしょうが、JKCの財政基盤、最大の収入源はぺツトの所有者により維持され、一胎仔登録・FCI犬舎号登録の義務化によるものであることを。
 さて、個人加盟から団体加盟へとJKCの組織転換をした当時の農水省の梶並担当官は、程なく岡山の家畜試験場長に転出(経徳元理事長は熊本種苗試験場長、こうした経歴が公表されたことはない)、先述の如く専務理事に就任、芟藪元理事長・元名誉会長は名誉を取つて会長に、ここ両年に亘る定款の改正によつて文字通り終身君臨し得るJKC商会の頂点に立つた。そして、最も天下りの多い省であると白書にある農水省はニ名以上の天下り先としての拠点を確保した。その功績によるか否かは不詳だが勲位を大いに上げたとの報が有る。近年の会報によれば、会長は活動の拠点を海外から国内に移したようで論者が「似非」なるショーと指摘する国内全てのFCIショーのBISジャツジを務めるものと思料されるしスタンダード委員会の長は、他自ともに国内最高のジャッジと評されるH氏に長年に亘り委嘱されているが、改正すべきスタンダードに関し何等の活動の痕跡も見ない。
 執行部を構成する透明性のない理事監事選考委員、懲罰(賞罰)委員会、各委員会の執行者の委任はすべて理事会(長)、その上に会長が君臨する専決事項としての専制・独裁体制の完結を見る。異見を申したて、体制に不利な存在の者は直ちに排除出来る仕組み、どこかの国の様に、密告による不測の事件で直ちに何らかの処分が可能である。定款の改正が連続して行われること自体異例であり、それは管轄当局の認可を要し、政、官、民の癒着構造、官の「作為」によつて成立する。期待された小泉内閣の面目に拘るところであるが「たかが犬」、されど、係わる者には極めて重要な「犬」の問題である。それで、先のこのコラムで「易姓革命」が待たれるとした。尚、自身が天下る組織に改組するためとは予測しえなかつた。
 行政改革担当相において公益法人の認可制を届出制に改める方向(来春)が検討されていると聞く、そこでの提案だが犬の並立する社団、就中、日本犬、また、外来種の登録団体は横の連携、を深めるべく大同につく連合体を結成すべき時期にある旨を強調したい。「天然記念物」に指定された社団にあつては地域のものを区分せずに連合すべきである。これらの団体は競合は極めて少なく、JKCを除く外来種の登録団体あつても障害は過少である。民主主義の国アメリカに於いてもAKCの外に別の、大きな団体、これはアメリカで改良発達したオーストラリア・シェパードの解説で早くからこの種を公認していたことで知るが、ドイツ連邦においては、一つの犬種に複数以上の登録団体があるべきを最高裁の判決によつている。論者は、これこそ民主的な自由主義を唱える国の在りかたであり競合があつてこそ互いに切磋琢磨して進歩があるのである。
 

主題のこのコラムの論議の終りにあたり、第ニ刊のFCIスタンダード解説、AKC、KC、JKCのスタンダードとの比較の発刊は、予約制につき最低の発行条件が満たされない場合は発行できません、ですが、そうした場合は予約者には第一刊に加え、本人の主とする犬種(予約時に明記のこと)の解説をお届けすることとしており、この「FCIスタンダード」解説(第214号FCIより取り寄せた資料JKCは何故か秘して公表しない)に43犬種及びその骨子全てを収載しておりそれにより理解できます、残部は僅少、また、JKCは「全犬種標準書」の品切れ及び第10刊を予定しているようであり、第10刊は「全犬種審査・評価基準書」として発行されるだろうから。(潯翔)


5/26/02 読売新聞より

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